異物の誤飲@
- 喉(のど)の症状
子どもに多い異物誤飲:子どもの誤飲に多く見られる異物は何?
身体も手も活発に動き始める1歳前後が要注意
耳、鼻、喉(のど)に何か入ってしまって取れなくなった状態は異物症といいます。
耳では外耳道異物、鼻では鼻腔(びくう)異物、喉では咽頭(いんとう)異物、そして奥になると気管、食道異物となります。それぞれの全異物症中の割合は、20%、気管5%、食道40%、その他、胃腸に落下してしまった例もあります。耳鼻咽喉科の救急疾患の代表的存在です。

医学書院発行の『耳鼻咽喉科学』で日野原正先生は子どもに多い理由として、以下のように書いておられます。
「子どもの異物症は、満1歳近くなり、自分でも動き始めるようになってから急に増加します。そのほとんどは、家庭内での両親または周囲の人の不注意によることが多いのです。一般に乳幼児では食物を口いっぱいにほおばる傾向があり、かつ歯が生えそろわないため、十分に噛み砕けず、小さく丸く、硬くて滑りやすい豆類は、気管(支)異物となりやすいのです。
また、乳児は、何でも口に入れたがる傾向があり、周囲のものを口の中に入れて遊んでいるうちに、転んだり、驚いたり、背中を叩かれたり、また咳(せき)込んだり、急に泣き出したりしたことが誘因となり、呼気とともに反射的に一瞬のうちに吸飲されたり、うかつに飲み込み異物となった例がとても多いのです。」
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おもちゃの玉が多い外耳道異物
外耳道異物は、大人では有生異物(生物)が多く、子どもでは無生異物(おもちゃの玉など)が多い傾向にあります。子どもに多いプラスチックの玉、小豆(あずき)などは丸くすべりやすいため、異物鈎(いぶつこう)という先がカギ状のものをすき間から入れ回転させて引っかけて引き抜きます。ただし、子どもは不安と疼痛(とうつう)でじっとしていないことが多く、ときに全身麻酔をかけて行うこともあります。
また、2つ入っていた場合もありました。このように異物症では、あらかじめどのようなものがいくつ入ったかを、おうちの人がしっかり話してくださるととても役に立ちます。ただ、別で述べたように、しっかりと診ていただければ防げますので、何が入ったか分からず、本人から聞いたり想像するしかない場合もあります。
重篤な粘膜障害を起こすボタン型電池異物
鼻腔異物は、鉗子(かんし)で取れますが、ここではボタン型電池が最近問題となっています。近年、カメラや小型電子ゲーム機器などが家庭に広く普及し、日常容易に子どもの手の届くところとなり、誤嚥(ごえん)や異物となる機会が増えました。さらにボタン型電池は他の異物と異なり、内容液(電解液)の強アルカリが漏出すると粘膜障害が著しいことが知られており、早急な摘出が必要となります。
ボタン型電池が粘膜についていると3、4時間目から組織変化が生じると言われています。電極反応により、陽極側で塩素ガスと塩酸、次亜塩素酸、陰極側で水酸化物イオンが発生しますが、特に後者の陰極で水酸化ナトリウムが発生して組織障害が起きます。誤嚥したときは直ちに胃まで落下し、自然排出されことなきを得ていますが、一か所にとどまると、穿孔(せんこう)を生じ死亡した症例の報告もあります。
咽頭異物の代表格、魚の骨
咽頭異物の95%は中咽頭、5%は下咽頭です。中咽頭異物の67%が口蓋扁桃、17%が舌のつけねです。魚の骨が93%で、他にエビの足や鶏の骨などです。お母さんが夕食中に目を離したすきに、子どもがウナギをかぶりつき、その後、急に泣き出したために異常に気付いた例がありました。この症例では、食物が消化するのを待って(胃に食物があると吐いて窒息することがあるので)、夜の11時から全身麻酔をかけてとったこともあります。
食物異物の大半は、第一狭窄(きょうさく)部という食道の入り口で止まり、貨幣が子どもの6割です。魚骨は20〜40歳代、義歯は40〜60歳代に多いのです。
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