高齢者の花粉症やアレルギー性鼻炎:アレルギー性鼻炎でもIgE抗体が少なく診断は困難
- 花粉症の症状と要注意な特徴

過去30年間あまり、通年性アレルギー性鼻炎や花粉症は、明らかにすべての年齢で増加しており、高齢者も例外ではありません。高齢者の特徴として鼻づまりよりも鼻水(鼻汁)が最も困る自覚症状であるとする調査報告があります。加齢とともに血液中のIgE抗体の総量が減少し、ダニや花粉などに対する抗体の量が減少します。それにも関わらず、加齢とともにアレルギー性鼻炎が自然に軽快する症例は非常に少ないです。
高齢者の花粉症の経過・特徴的症状
65歳以上の花粉症(花粉アレルギー)や通年性アレルギー性鼻炎の患者さんの血液中の特異的IgE抗体(特定の物質だけに反応する特異的な「IgE」と呼ばれるタンパク質で作られた抗体)、つまり特定の花粉やダニにだけ反応する抗体をさまざまな方法で測定すると、どの測定方法でも加齢とともに抗体の量は減少することが確認されています。
また、アレルギーの原因となる各種の花粉などに対する皮膚試験(皮膚反応)に対する反応性が、加齢とともに弱まる症例もあります。つまり、高齢者では、たとえアレルギーがあったとしても、抗体の量が検出できないほど少ない場合や、皮膚試験に対する反応性が低いことがあるのです。そのために、一般の成人や小児よりも花粉症(花粉アレルギー)や通年性アレルギー性鼻炎の診断が難しいとされています。これが高齢者の花粉症の特徴と言えるでしょう。だから、高齢者の場合では、花粉症(花粉アレルギー)や通年性アレルギー性鼻炎と類似した症状を示す血管運動性鼻炎(鼻粘膜の血管の拡張・収縮運動の異常によって起こる鼻炎)など、ほかの病気との区別が難しいことが少なくありません。また高齢者では一般的に言って、ヒスタミンに対する非特異的な過敏性が若年層の成人と比較して低下しているとの症例があります。しかしながら、その一方で、アレルギー性鼻炎がある高齢者では若年の成人との有意な差は見られないという報告もあり、必ずしも見解は一致しておりません。過敏性が低下していれば、症状は軽くなると考えられるのですが、実際にはそれら症状に大きな個人差があります。
「ヒスタミン」とは:アレルギー反応を起こしたときにマスト細胞から放出される化学伝達物質のひとつです。気管支などの平滑筋を収縮させて、ぜんそく発作を誘発したり、毛細血管を拡張させて浮腫み(ムクミ)を起こしたりする作用があります。
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