滲出性中耳炎(シンシュツセイチュウジエン)は、発熱や耳痛などの急性炎症の症状はなく、中耳(チュウジ)に滲出液が溜まるために難聴を引き起こす病気です。急性中耳炎に続発して起こる場合と風邪(カゼ)や副鼻腔炎(フクビクウエン)、あるいは花粉症(花粉アレルギー)などのアレルギー性鼻炎に続発する場合があります。
アレルギー性鼻炎がある人が風邪(カゼ)を引くと、その後に比較的多く見られるとする専門家や医師もおります。滲出性中耳炎を繰り返す幼児(満1歳から小学校就学までの子供)の場合には、花粉症(花粉アレルギー)が関係している場合が少なくないことも覚えておくと良いでしょう。
滲出性中耳炎が疑われる場合には、耳鼻咽喉科は当然のことながら、小児科の医師でも必ず鼓膜(コマク)を観察します。この耳鏡所見が診断には最も重要です。鼓膜(コマク)はくぼんだり腫れあがったりしており、黄褐色やアメ色、あるいは赤くなっていることもあります。長期間持続している場合には、青く見えることもあります。そのほかには、補助的検査として聴力検査や、鼓膜(コマク)が振動する具合などを調べるティンパノメトリーという検査も行ないます。
花粉症(花粉アレルギー)などのアレルギー性鼻炎がある場合には、抗アレルギー薬の内服や点鼻あるいは鼻腔(ビクウ)内への噴霧(ネブライザー)を行ないます。発症から3週間以内を急性期、3週間から3ヶ月を亜急性期、3ヶ月以上経過した場合を慢性期として区別するとともに、各時期によって治療の要点が異なり、通常は耳鼻咽喉科で治療を行なっていきます。以下では、それぞれの期間に分けて説明していきましょう。
また、3つのどの時期でも、必要に応じて、マクロライド以外の抗生物質の使用や鼻の処置、通気療法や粘液溶解剤などの薬物療法が併用されています。小児では、10歳頃には自然によくなる症例も多いと言われていますが、10歳以上になっても治癒(チユ)しない症例もあります。あるいは、成人では小児よりも治りにくい症例が多く、小児も成人もいずれにしても根気よく治療を受ける必要があるでしょう。
風邪(カゼ)の後などの急性期には、急性副鼻腔炎を合併していることも多いため、抗生物質も用いられます。また、鼻水(鼻汁)の吸引や薬剤の鼻腔(ビクウ)内への噴霧などの鼻の処置が施されます。
亜急性期には、鼻の処置にくわえて、マクロライドと呼ばれる種類の抗生物質の少量長期投与が成人にも小児でも行なわれます。しかしながら、2歳以下の小児や、アデノイド増殖症という病気が合併している症例では、マクロライドによる治療は有効性が低いと言われています。鼓膜切開術は、特に亜急性期に行なわれることが多いようです。
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