1980年代以降は、スギ花粉症の患者数がもっとも多くなっています。厚生労働省の国民生活基盤調査でも、1986年度の患者数を1とすると1998年には1.58で、日本の人口の約10%を占めると推定されるほど増加し、現在においても少しずつですが確実に増加してきています。
日本アレルギー学会が発表した「鼻アレルギー診療ガイドライン2010」を参考に見てみると、わが国の現時点での花粉症患者は、スギ花粉症が人口の約18%、そのほかの花粉症が約10%と推定されています。また、ここ数年は、1980〜1990年代に植林によって数を増したヒノキが作る花粉の飛散量の増加とともに、ヒノキ花粉症の患者数の増加が注目されています。さらに、そのほかの植物の花粉を原因とする花粉症も徐々に増加していることが報告されています。
しかしながら、1960年代から現在に至るまで、アレルギー性鼻炎でもっとも患者数が多いのは、スギ花粉症ではなくハウスダストです。ハウスダストによるアレルギー性鼻炎は、花粉症(花粉アレルギー)と比較すると小児や若者に多い傾向があります。
また、花粉症(花粉アレルギー)に限らず、特にこの10年ほどの間に成人でも小児でも、さまざまなアレルギー疾患が増加しました。たとえば、東京都衛生局の調査では、3歳児の4割程度に何らかのアレルギー疾患があることが認められています。この調査によれば、3歳児がアレルギー性鼻炎および花粉症(花粉アレルギー)になっている割合は1割程度だったそうです。1980年以前はほとんどゼロに等しかった病気が、今日ではこのように急激に増加しており、将来も徐々に増加すると予測されています。しかしながら、花粉症(花粉アレルギー)をはじめとするアレルギー疾患がなぜ急激に増加したのかを完全に説明できている学説とその明確な根拠は、いまだに確定されてはおりません。
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