花粉症(花粉アレルギー)などのアレルギー性鼻炎や喘息(ゼンソク)などを予防するためには、家庭内の空気汚染についても注意が必要なので、ここで説明していきましょう。
灯油による暖房は、二酸化炭素が発生し、室内の空気を汚染して鼻の粘膜を傷つけてしまいます。また、タバコ(喫煙)の煙の中には、酸化窒素が多量に含まれており、室内の空気の大きな空気汚染の原因となります。
さらに、建材に含まれるホルムアルデヒドやトルエンなどの有機化学物質も室内の空気を汚染し、シックハウス症候群やシックビルディング症候群といった化学物質による健康被害の原因になっています。これらの物質も家庭内や会社のビル内の空気中には多数存在しています。このような化学物質は、人体にとって大変有害で、鼻から喉(ノド)、気管、気管支までの気道(空気の通り道)の粘膜や眼などの粘膜に障害を与えて、アレルギー反応を引き起こしやすい状況を強めてしまいます。
大気汚染とは直接的な因果関係はありませんが、花粉症(花粉アレルギー)をはじめアレルギー性鼻炎が増加している原因として、この20年ほどの間に、人が回虫(カイチュウ)などの寄生虫に感染することがほとんどなくなったことも挙げられています。
寄生虫が感染しますと、われわれ人間の身体は、Th2細胞の働きによって寄生虫を対外へ追い出すために、IgE抗体(「IgE」と呼ばれるタンパク質で作られた抗体の総称)を作ります。しかしながら、衛生環境の改善に伴って寄生虫が感染する機会が極端に少なくなりました。そこで、寄生虫と戦う必要性が少なくなってしまったTh2細胞は、新しい敵として花粉やハウスダストを選んでしまった、という仮説が考えられるようになりました。その学説・仮説の真偽はともかくとして、ディーゼル排気物質と寄生虫感染は、いずれもアレルギー反応に関係するIgE抗体が作られることに影響を与えることが確認されているのです。
◇「花粉症の基礎知識(患う原因・要因)」のページ一覧◇