ある植物の花粉を吸い込み続けても、アレルギーが生じるか、生じないかには大きな個人差があります。また、花粉に対するアレルギーがあったとしても、そのアレルギーの程度によって症状が出るか出ないかにも、やはり大きな個人差があります。
要するに、花粉というアレルゲン(アレルギー疾患を持っている人の抗体と特異的に反応し、そのアレルギー症状を引き起こす原因となる抗原)に対する感受性と反応性の個人差によって発症するかしないか、いつ発症するのかが左右されます。家族に花粉症の患者さんがいる人、あるいは、気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患がすでにある人は花粉症(花粉アレルギー)になりやすく、病歴や血液検査の結果から、ある程度のアレルギー発症の予測は可能であることは覚えておいて損は無いでしょう。
当サイトの「花粉症の発症年齢と性差」のページでも説明しましたが、中学生の約50%がスギ花粉に対する抗原特異的IgE抗体(「IgE」と呼ばれるタンパク質で作られた抗体の総称)を持っており、そのうちスギ花粉症を発症するのは30〜40%と報告されています。調査の時期や対象者、対象地域によって、数字には多少の違いはありますが、どれもほぼ同じ傾向を示しています。また、抗原特異的IgE抗体の量が多いほど花粉症(花粉アレルギー)を発症している人の割合が高くなります。
特異的IgE抗体がある一定の許容量を超えると、マスト細胞がその抗体に反応して化学伝達物質を組織中に放出することで、アレルギー反応が始まるのですが、抗原特異的IgE抗体があっても発症する人としない人がいるのは、その許容量が人によって異なるからです。
花粉に対する特異的IgE抗体を少しずつ作っている人が、長年にわたって毎年のように花粉を吸い込んでいるうちに大量の特異的IgE抗体を作ってしまい、その量が許容量を超えると「今まで無かった花粉症(花粉アレルギー)を突発的に患ってしまう」ということになるのです。だから、定期的に花粉に対する抗原特異的IgE抗体検査を行なうことによって、将来、花粉症(花粉アレルギー)になる可能性があるかどうかを、ある程度は予測できると考えられます。また、スギ花粉を少量でも吸い込めば、スギ花粉特異的IgE抗体(スギ花粉症だけに反応する特異的な「IgE」と呼ばれるタンパク質で作られた抗体の総称)を作ってしまう人もいれば、大量に吸い込んでも、スギ花粉特異的IgE抗体を作らない人もいます。
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