われわれ人間は、鼻から呼吸し、空気と一緒に細菌やウイルス、花粉も吸い込んでいます。ウイルスや細菌は非常に小さいので、鼻の粘膜にも付着しますが、喉(ノド)や気管支、肺まで吸い込まれることがあります。しかしながら、これらの病原体より大きな花粉は、おもに鼻毛や鼻の粘膜に付着します。つまりは、鼻は花粉という異物をそれ自身の場所にとどめて体内への侵入を防ぐという役割を持っています。そのため、鼻粘膜上で花粉をアレルゲン(アレルギー疾患を持っている人の抗体と特異的に反応し、そのアレルギー症状を引き起こす原因となる抗原)としたアレルギー反応、つまり花粉症が生じるというわけです。
鼻は吸い込んだ空気を加湿して気管支や肺に入る空気の湿度を高めるエアコンディショナーとしての機能を持っています。乾燥しきった空気を気管支や肺に流してしまうと、気管支や肺の細胞が壊れてしまうのです。
鼻は空気中の異物、つまりは埃(ホコリ)や花粉、細菌やウイルスを除去して、きれいな空気にするエアフィルターとしての機能も持っています。細菌やウイルスは非常に小さいために、気管支や肺に到達してしまうものもありますが、花粉や埃(ホコリ)などの異物はほぼ完全に鼻の粘膜に付着します。粘膜に付着した異物は粘膜の表面にある繊毛によって、ホウキで掃きだすように、鼻の外へと出されていきます。
花粉の多くは、小鼻の内側付近にある軟骨と粘膜でできた下鼻甲介(カビコウカイ)という場所に強く付着し、この場所でアレルギー反応を引き起こすのです。
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