花粉症の予防治療:大きく2種類(発症の予防治療と症状の軽症化)
- 花粉症の治療法・薬物の注意点

花粉症(花粉アレルギー)の予防治療は、その目的によって大きく2種類に分類されます。
第一には、将来的に、アレルギー疾患を患う可能性が高い方に対してアレルギー疾患を予防する目的で、乳幼児(生後0日から小学校就学までの子供)の時期や小児期から抗アレルギー薬を内服するという方法です。
第二には、花粉症を患っていることがすでに判明している人に対して、花粉の飛散が始まる2〜4週間前から予防薬として抗アレルギー薬を内服する方法です。
アレルギー疾患自体の発症の予防治療
アトピー性皮膚炎を患っていて、ほかのアレルギー疾患がある両親や祖父母がいる子どもや、乳児(生後0日から満1歳未満までの子)の時期から血清総IgE抗体の量が多く、将来的にアトピー性皮膚炎以外のアレルギー疾患を発症する可能性が高い子どもに対して、予防的に治療を行う試みが、いくつかの方法で行われています。
気管支ぜんそくの予防に対しては、ケトチフェン(ザジテン、ケトテン、メラボンなど)がいくらか有効であるというような研究報告もあります。また、アトピー性皮膚炎を患っていて花粉やダニなどにも特異的IgE抗体(「IgE」と呼ばれるタンパク質で作られた抗体の総称)を持っており、さらに家族にも気管支ぜんそくや花粉症(花粉アレルギー)がある小児に対してセルチジンを投与すると、気管支ぜんそくの発症をある程度は予防することが可能であるという研究報告もあります。
しかしながら、そうした現象が起こる仕組みは、いまだ解明されてはおらず、どの程度の予防的な効果があるのかも正確には解明されてはいません。アレルギー疾患の発症予防としての抗アレルギー薬の使用は、まだまだ研究途上と言えるでしょう。
花粉症の軽症化をする予防治療
抗アレルギー薬を予防的に内服しておくと、花粉の飛散が本格的になっても症状が軽くて済むとして、花粉症(花粉アレルギー)でも、予防的な治療が行われています。
抗アレルギー薬は、内服を開始して効果が見られるまでに、2週間あるいはそれ以上の期間がかかることが普通ですので、花粉が飛ぶ2〜4週間前から内服しておく必要があります。実務上は、日常の診療でも、予防的な治療の効果を確認することが可能な患者さんは少なくはありません。しかしながら、花粉の飛散量が多いと、前もって治療を受けていたとしても、症状が強くなってしまうこともあるので、完全な予防とまではいかないと考えられます。
そのほか、スギ花粉とヒノキ花粉は、それぞれが別々のアレルゲン(アレルギー疾患を持っている人の抗体と反応し、アレルギー・免疫異常を引き起こす抗原となる物質)となる構造を持っていますが、部分的に共通な構造も持っています。そのために、症状が強いスギ花粉症とヒノキ花粉症を患っている人が、スギ花粉症の悲惨時期が過ぎて症状が軽くなったからといって、安心して抗アレルギー薬の内服を自己判断で止めてしまうのは禁物です。その2〜3週間後にヒノキ花粉が飛散し始めて、花粉症(花粉アレルギー)の症状が以前よりも酷くなってしまうといった症例が少なからずあるからです。こうした現象が確認されることも、花粉症(花粉アレルギー)の予防的な治療が役に立つことの証拠として理解されています。こうした予防法は、特に過敏性が高い方に効果的です。
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