減感作療法以外の花粉症の根治療法:アレルギーワクチン「CpGモチーフ」などは世界でも注目
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アレルギー反応を引き起こすTh2細胞の活動性を抑える方法として、「CpGモチーフ」などの細菌菌体成分を使ったアレルギーワクチンの開発が盛んに行われており、アメリカ合衆国ではすでに臨床実験が始まっております。このアレルギーワクチンを用いた治療法を応用することで、花粉症(花粉アレルギー)だけではなく、癌(ガン)の治療や慢性関節リウマチのような自己免疫疾患と呼ばれる難病の治療法もかなり進歩する可能性があることが指摘されており、世界中で注目されております。
CpGモチーフについて
それでは、上記で指摘したアレルギーワクチンを使った治療法「CpGモチーフ」について説明しておきましょう。1980年代に、ある種の細菌から採取された遺伝子(DNA)が、人を含む哺乳動物の免疫細胞の活動性を高めることが発見されました。その遺伝子を「CpGモチーフ」と呼んでいて、さまざまな細菌に同じ働きを持つ遺伝子があることも明らかになりました。特に「CpGモチーフ」は、Th1細胞の活動性を高めることが、その後の研究によって明らかになりました。1997年には、免疫細胞がTRLと呼ばれる構造を使って、病原体成分の体内への侵入を感知することが明らかになり、さらに2000年には、複数あるTRLの一部が「CpGモチーフ」を認識することが確認されました。「CpGモチーフ」にアレルギー疾患の原因になる抗原(生体内に侵入して抗体をつくらせ、免疫反応を引き起こさせる物質の総称)を化学反応によって結合させ、人などの哺乳動物に投与すると、Th1細胞の活動性が高まるだけではなく、その抗原に特異的に反応するTh2細胞の活動性が明らかに低下することが報告されています。
たとえば、スギ花粉から抗原としてはたらき部分を取り出して、「CpGモチーフ」に結合させて投与すると、Th1細胞が増加して、その活動性が高まるとともに、スギ花粉に反応するTh2細胞が減少しその活動性が低下します。そうなると、スギ花粉を吸い込んでもアレルギー反応が起こらなくなり、スギ花粉症を根本的に治療することが可能となる、ということなのです。このようにして、アレルギーワクチンの基礎が完成し、実用化にもう少しというところまで進歩しています。多くの医師や研究者がその成果に期待しています。
Tr細胞(調節性T細胞)について
アレルギー疾患は、Th1細胞とTh2細胞の機能的なバランスの異状によってTh2細胞が優位になることで起こると考えられていますが、主に2001年以降の研究により、Th1細胞とTh2細胞の両方の機能を調節するTr細胞(調節性T細胞)が存在することが明らかになりました。Tr細胞には複数の種類があると考えられており、Th1細胞やTh2細胞のほかに癌(ガン)に対する免疫(ウイルスや細菌などが体内に侵入した際に、排除して自分の身体を守ろうとする働き)を調節するものもあると考えられています。将来的には、このTr細胞を制御することでアレルギー疾患や癌(ガン)に対する免疫療法が開発される可能性もあるでしょう。
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