ステロイド筋肉注射の危険性:楽観的な噂も、専門家は認めていない非常に危険な薬物療法
- 花粉症の治療法・薬物の注意点

花粉症(花粉アレルギー)の治療を注射1本で行うとすれば、ステロイド薬の筋肉注射が考えられます。ステロイド薬の注射薬としては、「ケナコルトA」や「デポメドロール」などの持続作用型ステロイド薬が上げられます。これらの薬剤は、副作用が強いことが特徴で、日本アレルギー学界、日本耳鼻咽喉科学会のいずれもが、花粉症(花粉アレルギー)や通年性アレルギー性鼻炎(鼻過敏症)の治療薬としては認めていません。実際にところ、それほど危険性が強い薬物と言えるでしょう。
ステロイド薬の非常に危険性の高い副作用
ステロイド薬の危険性の高い副作用として、感染症の悪化、糖尿病、精神障害、骨粗鬆症(コツソショウショウ)、緑内障(リョクナイショウ)、血栓(ケッセン)症、無月経などがあります。たとえば、軽い風邪(カゼ)から肺炎になったり、血栓症によって死亡することもありうるわけです。また、注射した場所の筋肉や皮下組織が萎縮(イシュク)してくぼみができることもあります。
ケナコルトAの使用のための注意書きには、アレルギー性鼻炎(鼻過敏症)、花粉症が適応症(効果が期待できる病気や症状)として明記されていますが、保険診療上、注射の選択は、経口投与ができないとき、経口投与では効果がなく注射でなければ効果が期待できないとき、迅速な治療効果を期待するとき、となっています。
ステロイド薬の副作用の恐ろしさを勘案すれば、良識ある医師であるのであれば、どんな場合も持続作用型ステロイド薬を筋肉注射することは考えないでしょう。その意思の表れとして、関連学会では、筋肉注射を認めてはいないのです。しかしながら、患者さんの中には、歌手やアナウンサー、接客業などの職業で、鼻水(鼻汁)が継続的に出続けていれば、仕事を外されてしまうという切実な問題を抱える人も多くいます。そうした場合には、副作用については十分に説明した上で、それでも患者さんが望むのであれば、1回は緊急避難として筋肉注射を試してみましょうと考える医師も実際にはおられます。しかしながら、1度でも持続作用型ステロイド薬を筋肉注射すると、薬剤は身体の中に何週間も存在して副作用を出し続けます。副作用が出たから薬剤を身体から取り除いて欲しい、と訴え出る患者さんもおられるようですが、何を言っても手遅れです。また、注射後は、医師による厳重な経過観察と副作用への対応が必要です。だから、良心的な医師であれば、注射をする前に、可能な限り避けるべきである治療法だと患者さんを説得すると思います。その理由は、花粉症(花粉アレルギー)では死ぬことはありませんが、持続作用型ステロイド薬の筋肉注射では死ぬことがあっても不思議はないからです。
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