逆流性食道炎(食道逆流症)@主な症状と原因
- 食道・胃腸の病気(食道)
逆流性食道炎の主な症状:胃酸による粘膜のただれ
胃・食道逆流症(GERD)は、胃の内容物が食道内に逆流して、食道の粘膜が傷ついたり、胸やけなどの不快な症状を起こす病気です。そのうち、胃酸などによって粘膜にただれができた状態のものを逆流性食道炎と呼びます。
胃・食道逆流症で治療が必要とされるのは、現状では下記の3ケースのみとされています。
@ 下部食道粘膜の酸消化性炎症(逆流性食道炎)
A 胸やけや呑酸(ドンサン)などの不快な自覚症状の両方あるいは片方があるもの
B 逆流によって誘発される食道外症状をもつもの
と考えられています。強い症状があっても、内視鏡で確認すると炎症がみられないケースもありますが、この場合も非びらん性逆流症と呼んで治療の対象とします。
逆流性食道炎は、男性では40〜60歳代で肥満傾向の人、女性では60歳以上で腰が曲がり、背中が丸くなった状態の人に多い傾向があります。日本だけでなく、世界的に増加傾向にありますが、その理由として、とくに先進国でピロリ菌の感染者が減少し、栄養の過剰摂取によって肥満が増えていることが考えられます。ピロリ菌に感染すると加齢とともに胃粘膜の萎縮が起こり、胃酸の分泌(ブンピツ)が抑制されるので、逆流症状が起こりにくくなるのです。また、胸やけ症状だけの非びらん性逆流症は例外的に、太っていない、比較的若い女性に多いことがわかっています。

逆流症食道炎の原因
胃・食道逆流症の主な原因は、胃液の逆流を防ぐ機能の低下です。食道と胃の境界部には、下部食道括約筋(カブショクドウカツヤク)部がはたらいて胃から食道への逆流を防いでいますが、この機能がさまざまな原因で低下してしまうのです。
まず、加齢によって下部食道括約筋がゆるんでくることがあげられます。食道は主に筋肉でできた臓器ですから、年齢とともに全身の筋力が低下するのと同様、食道の筋肉もしなやかさが失われ、機能が低下して胃・食道逆流症が起こりやすくなってしまいます。
さらに、胸部と腹部の境をつくる横隔膜(オウカクマク)と呼ばれる筋肉も、加齢によりゆるんでくると、食道裂孔ヘルニアと呼ばれる状態になりやすくなります。食道裂孔ヘルニアとは、胃の一部が横隔膜からすべり出してしまい、胃と食道の境界線が胸のほうに上がってしまうため、胃液が逆流しやすい状態になってしまうことです。また、一度食道内に逆流した胃液が胃の中に戻りにくくなるため、長時間にわたって食道内に胃液が残り、つらい症状が続くことになります。
逆流を防ぐ下部食道括約筋は、一度にたくさん食べたり、脂肪分の多い食事やアルコール飲料を飲むと、ゆるんでいる時間が長くなり、胃・食道逆流症を起こしやすくなります。また、肥満の人では食後の下部食道括約筋のゆるみが強く起こることがわかっており、より胃・食道逆流症を起こしやすくなります。
胸やけや酸っぱい胃液が逆流してくる症状は、それだけでとてもつらいものですし、日常生活の質を大きく低下させてしまいます。さらに、逆流性食道炎が進行すると、食道狭窄(ショクドウキョウサク)を起こし、食物が通過しにくくなったり、病変部から出血して吐血や貧血を起こす場合がありますから、我慢は禁物ですね。辛い症状があるときは、早めに医師に相談しましょう。
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